日本最大級の繊維・ファッションOEM/ODM展示会「AFF・東京2024SUMMER」が6月5~7日、東京ビッグサイトで開かれる。中国と東南アジアから縫製、素材、副資材、ホームテキスタイルなどのメーカー・商社437社が出展する。今回展の注目企業を紹介する。
〈温州傑亜迪服飾/欧州生地使いの高級スーツ〉
2005年創業のアパレル製造販売会社。生産アイテムはスーツ、コート、ジャケット、シャツなど。スーツとシャツのオーダーメイド生産にも対応する。スーツの年間生産量は2万6千セット。フレキシブルな生産体制と、製品の企画・開発力が強みと自負する。
輸出と中国内販の双方を展開。輸出額の国別構成比は、米国32%、オーストラリア28・4%、オランダ29・6%、チリ10%。日本市場は今年、開拓に着手する。
初出展の今回は、接着芯仕立てと総毛芯仕立て双方のメンズ、レディースのスーツを出展する。欧州生地使いや、仕立ての良さを訴求する。
〈杭州数豪投資/高品質の本革・合皮製コート〉
2012年に設立された本革と合成皮革を使ったコート専業の企画・販売会社。本革は羊皮と豚皮がメインで、合皮はスエードとポリウレタン(PU)が主力だ。企画・デザイン力が高いことと、サンプル作成から生産、修正、完成まで一気通貫で展開していることが強みと自負する。
輸出が主力で、ブラジル、英国、スウェーデン向けが多い。日本は昨年開拓を始めた。初年度の日本向け売上高は1002万㌦で、売上構成比は2%となった。
23年に同展に初出展し、ファッションブランドの顧客開拓に成功した。今回展では、メンズとレディースの高品質の本革製品を訴求する。
〈東莞市鑫紗麻紡織品/リネン混紡糸専業〉
2010年創業のリネン混紡ニット糸メーカー。同糸の開発から生産、販売を一貫で手掛けている。自社開発にこだわり、糸の加工から染色も自社展開する。60以上の備蓄品を展開し、顧客の小ロット・短納期ニーズに対応している。
中国内販と輸出の双方を手掛けている。輸出の売り上げ比率は30~40%。日本、韓国、欧州、北米に輸出する。ここ数年、日本向けを拡大している。このほど、日本の大手糸商社と提携することが決まった。
初出展の今回は、25春夏の新コレクションを出展。リネンとレーヨン、ポリエステル、ペーパーヤーンなどを混紡した、表情豊かな糸を訴求する。
〈紹興昕紳進出口/差別化したレザー生地〉
2007年創業の服地メーカー。PUを使った合成皮革やポリエステル複合素材使いの織物、ポリエステル使いの編み地など、差別化した生地を生産している。最新トレンドを取り入れた生地を開発できることが強みと自負する。
輸出と中国内販を展開する。輸出先は欧米、アジア、中東の数十カ国・地域。近年、日本向けの売り上げは安定している。
今回展では、エコロジーを追求した水性ウレタン樹脂を用いた合皮や、再生可能な本革・合皮使いのサステイナブルな生地と、本革に含まれるコラーゲン繊維をパウダー化し、特殊樹脂と融合させて生産するプロテインレザー使いを出展する。
〈kudos garment(東莞市高正服装)/サステなデニム製品〉
2011年創業のデニム製品を手掛ける香港系企業。中国広東省東莞(月産能力8万着)とベトナム(同20万着)、カンボジア(同20万着)の計3工場を運営している。
主な顧客は、欧米のカジュアルブランドやデザイナーズブランド。メンズ、レディースを問わずさまざまなデニム製品を生産する。東莞工場は小ロットに対応している(1スタイル300着から)。
今回初めて日本の展示会に出展する。サステイナブルへの関心の高まりに対応するレーザー技術を使った加工製品を出展する。通常の洗い加工の製品と比べて、水使用量を33%、薬品を65%、電力を25%削減できることをアピールする。
〈長興維依紡織科技/難接着生地用芯地〉
2009年創業の芯地と織物を手掛けるメーカー。工場は中国浙江省長興県と江蘇省蘇州にあり、主にハイエンドな表地向けの接着芯地とダウンウエア向け生地を生産している。
国内販売、輸出の双方を展開。輸出は主に韓国、ベトナム、バングラデシュ、エチオピア、ポーランド向け。日本向けは一部に留まっている。今後、日本市場のニーズにマッチした生地を開発し、開拓を加速していく。
初出展の今回は、難接着生地専用の芯地と、ダウンウエアに最適な塩縮加工生地をアピールする。塩縮加工生地は、さらりとした肌触りと、自然な凹凸をアピールする。
〈石家庄丸織貿易/防水のアウターや綿シャツ〉
2013年創業のアパレル商社。取り扱いアイテムは織物製と編み物製の各種キッズウエア、レディースウエア、ユニフォーム。協力工場は中国河北、山東、河南、天津各省の内陸部にあり、価格競争力が高い。
輸出に特化している。日本、ロシア、フランス向けを手掛けいる。日本向けの構成比は10%。広島に事務所があり、日本の顧客に手厚いサービスを提供している。
初出展の今回は、フランスの顧客から好評を得る防水素材使いのアウターとスキーウエア、保温性が高い綿100%シャツを出展する。アウターはポリウレタン(PU)素材使いで、さまざまな柄のプリント地を展開する。
〈杭州暁羽家居用品/高品質な羽毛布団と枕〉
2019年に設立されたホームテキスタイルの製造販売会社。浙江省杭州の自社工場で羽毛布団、キルティング加工の布団、マットレス、枕などの各種寝装寝具を手掛けている。羽毛製品を年間3千㌧の生産する。
大部分の製品は、小ロット生産(20枚から)に対応。中綿は羽毛が中心で、生地は薄くて柔らかく、保温性が高いポリエステル繊維と純綿、ポリエステル・綿使いを採用している。
売上高の9割が輸出。日本市場は昨年開拓を始めたばかりだ。家具・リビングチェーン店の開拓をもくろんでいる。昨年の大阪展に続く2回目の今回展では、高品質な羽毛布団と枕を訴求する。
〈厦門宏興星体育用品/機能性カバンを生産〉
2007年創業のバッグなどを生産する工場。生産アイテムはビジネスリュック、子供用カバン、旅行カバン、ショルダーバッグなど。月産能力は9万枚。国内外の有名ブランドと取り引きしている。
中国内販と輸出の売上比率は9対1。輸出先は日本、韓国、米国、オランダ、スペイン、ブラジル、レバノンなど。
輸出シェアを中長期的に2割に高める目標を持つ。その一環で、日本開拓に力を入れていく。
今回展では、リュックサック、旅行カバン、カジュアルバッグなどを出展する。高品質で、ファッション性と収納性が高く、防水・耐摩耗などの機能性を持つことを訴求する。